
高齢者の一人暮らしが増える中、孤独死は社会的にも不動産管理上でも深刻な課題です。
特に地方都市・松山市では、人口の高齢化が進み、賃貸物件に高齢者が一人で入居するケースも増加しています。
孤独死が発生すると、発見の遅れによる衛生問題や近隣住民への心理的影響、資産価値の低下など、多方面にリスクを伴います。
こうした事態を未然に防ぐために、今回はスマートホームについて少し触れてみたいと思います。
「スマートホーム」とは?
スマートホームとは、家電や設備をインターネットに接続し、スマートフォンやスマートスピーカーを使って遠隔操作や自動化を可能にする、便利で快適な住まいや暮らしのことです。
これにより、家電の遠隔操作、防犯対策、省エネなどが実現できます。

◎高齢者の安全を守るアイテム
◆非接触型の見守りセンサー
ベッドセンサーや人感センサーを活用することで、プライバシーを保ちつつ、居住者の起床・就寝・トイレの使用状況などを把握可能。カメラを使わずに見守れるため、監視されているという心理的負担を軽減できる。
◆AIによる行動予測と異常検知
AIが日々の生活パターンを学習し、「いつもは朝7時に起きるのに今日は10時になっても動きがない」といった異常を自動で検知。
通知先は家族、介護事業者、地域包括支援センターなど柔軟に設定可能。
◆緊急時の自動通報・音声応答
転倒や急病時に、音声で「助けて」と言うだけでAIが反応し、119番通報や家族への連絡を行うシステムもある。高齢者がスマホを持ち歩いていない状況でも対応可能。
◆定期的な安否確認の自動化
毎日決まった時間に「おはようございます。体調はいかがですか?」と音声アシスタントが話しかけ、応答がない場合は異常と判断する仕組みも導入可能。

◎生活の利便性向上にも期待
◆ルーティンの自動化
「朝6時にカーテンを開け、照明とエアコンをオン」「夜10時にテレビと照明をオフ」など、生活リズムに合わせた自動化が可能。生活の質を高め、快適な毎日をサポート。
◆家族とのつながりの強化
スマートディスプレイを通じて、離れて暮らす家族とビデオ通話が簡単にできる。高齢者がボタン操作なしで「○○ちゃんに電話して」と話しかけるだけで孫と会話できる環境を整えられる。
◎運用のデメリット
◆操作が難しい
高齢者や機械が苦手な人には、スマホやアプリの操作がわかりにくいことがある。
◆費用が高い
初期導入に数万円〜数十万円かかることも。維持費や電気代も増える場合がある。
◆ネット障害に弱い
Wi-Fiが切れたり停電すると、機器が使えなくなる。防犯や見守り機能も止まる可能性あり。
◆プライバシーの不安
カメラやセンサーで常に監視されているように感じる人もいる。家族間でも気まずくなることがある。
スマートホームは、単なる「便利さ」を超えて、命を守り、心の安心を支える社会インフラとしての役割を果たします。特に高齢者の単身世帯や共働き家庭にとって、スマートホームは「見えない家族」としての機能を果たす存在になりつつあります。